靖子、にっこりと奈都美にバイバイをしながらの葉月に、
「おんや~~。これから…デートだな~~。その感じじゃあ~~。」
そんな靖子にも笑顔でバイバイの葉月。
靖子、
「おぅ。お疲れ~~。」
伸永も、
「ヨシ。僕も…帰ります。」
「へっ…???伸永、あんたも…、今日は早いね~~。」
靖子。
勇喜雄、
「ん~~~???おやおや。」
伸永、
「帰って、ビデオ、観たいんですよ。先行予約で、ゲットしたのが昨日届いたんです。」
勇喜雄、
「ほぅ~~。映画…???」
「はい。お疲れさまでした~~。」
内海と瀧澤にお辞儀をして。
内海、
「おぅ。」
瀧澤、笑顔で右手を振って。
数分、沈黙の部署内。
その内、奈都美のパソコンに、一通のメール。
奈都美、
「…。さて、どちらさま…。」
そこまで口にして、
「…えっ…。ペネロペ…行くか…???…って…。このアドレス…、翔…???」
そしてその場で、目だけを斜め向かいに…。
そして、キーボードを叩いて…、
「何よ、いきなり…。」
そのまま返信。すると、またメール。
「あそこだったら、誰にも知られず話す事…できんだろ。」
そのメールに、奈都美、
「何…、誰かに知られちゃまずい事…???」
そして返信。翔から、
「そう…いうわけじゃ…、ないけど…さ。」
奈都美、頭の中で、
「…ったくもぅ…。」
…と、次にメールを打とうとすると、
「先に行ってる。」
翔からのメール。思わず奈都美、
「あっ。」
そして向かいから、
「お疲れ~~っす。俺もお先で~~す。」
そそくさと立ち上がり、奈都美の方をチラリと見て。
奈都美、目だけで翔を追って…。
そして数秒後、靖子。
「ナッちゃん、追わなくっていいの…???」
その声に奈都美、両肩で息を吸うように。そして息を吐いて。
「ふん。いいの、いいの。」
そしてそれから15分後。帰りの仕度をして奈都美、
「お疲れ様です。お先で~~す。」
靖子、
「は~~い。行っといで~~。」
勇喜雄、
「かっかかかか。」
奈都美、歩きながら、
「もぅ~~、ヤッさん。」
ドアに向かう奈都美を見つめる内海、
「ふ~~ん。…さて…。」
奈都美、会社を出て、歩道に、
「わっ。と…。翔~~。」
植木に背中を…、そしてレンガに右足踵を乗せたままでズボンのポケットに両手を。
奈都美を見て、
「よぅ。」
奈都美、
「何が…よぅ…よ。行くよ。」
「へぃへぃ。」
歩きながら、
「何よ、誰にも知られず…なんて…。」
その声に翔、
「いや…、そういう…わけ…でも、ないんだけど…。実は…。」
奈都美、翔の顔を見て、
「実は…???」
「昨日は…。あれから…、優里亜…、アレフーズの進捗…話して…たんだ。」
優里亜と言う名前が出て来た途端に奈都美、
「優里亜…???」
「実は、昨日、紀本主任と別れた後、優里亜から電話で、アレフーズ、今、どうなってる、知りたいからって、時間作ってって…言われて。」
奈都美、
「……。」
「俺も…、紀本主任と今、一緒に仕事しているけど。優里亜…体調回復したら、結局は紀本主任と交代…するわけだから…。」
奈都美、口を尖らせて。そして、
「何よ、んじゃ、優里亜、その進捗情報…、紀本主任から聞けばいいじゃん。」
そう言われて翔、一瞬、考えて、
「あっ。そっか…。」
と、思った瞬間、
「えっ…???…いやいやいや。ほら。営業部だって、結構、紀本主任、だらしないってムードあるって…、噂じゃん。…だから、優里亜だって、自分からは…あんまり…。」
そこまで話を聞いて奈都美、
「まぁ…。分からない…訳でも…ない…けど…。」
腕組みをして…。
「…って言うかさ、なんで、何度もラインしてんのに、既読にもならないわけ~~???」
その瞬間、翔、奈都美に両手を合わせて、
「ごめん。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋