ドキドキ  翔、その奈都美の声に、
「何…って…。その…。あの…。」

奈都美、
「なに…???…私に話せない事…???」

「あ…。いや…。その…。」
それから言葉が出ない翔。

奈都美、翔に口を尖らせて、
「分かった。…もぅいい。」
踵を返して入口から廊下に…。

そんな奈都美の後ろ姿に翔、左手を伸ばして…、
「あ…。」
そしてその手をダラリと。また頭をガックリと、
「あ~~~。」

ムスっとした顔で奈都美、内海とすれ違う。

内海、そんな奈都美を、
「…ん…???」
そして休憩コーナーで頭をガックリとしている翔を見て、
「…???…翔…、おま…。何やってる…???」

翔の顔を見て、部署に向かっている奈都美の後ろ姿を見て、
「なんか、あったか…???…七瀬、ムスっとした顔してたけど…。」

その声に翔、すぐさま額に右手を、
「ふぅ~~。」

内海、
「もしかして…。おまえら…。」
右手人差し指と左人差し指をクロスに重ねて。

への字をして翔、困った顔で、頭をカクン。

内海、翔の左肩を右手でトン。
「そっか~~。…っと~いう事は、その原因は…。まぁ~~。男の…おまえの…方…だな。」

まだへの字になって翔。

「ちょいと…、付き合え。」
「へっ…???」

そしてふたり…トイレに…。

内海と翔、手を洗いながら…、
「おっと~~。何、それ…昨日…???…あれから…???」

翔、口をぐんにゃりと…、
「えぇ…。」

「おっとっとっと~~。これは、これは…。そっか~~。加瀬とか~~。」
「まぁ…。今、紀本主任と一緒なんですけど…。でも…、優里亜…戻ってきたら紀本主任と交代。…だから、進捗情報…。」

その声に内海、
「まぁ…、確かに…。営業も…アレフーズは今まで以上に…。加瀬も…本調子になれば…。けれども、遅れは取りたくない。分からない…訳でも…ない…。が~~。それを七瀬は…知らない。」
そして、
「…けど…、おま…、翔~~。まさか…おま…、優里亜と…。」

その声にいきなり翔、懸命に右手を振り、
「いえいえいえ。とんでもない。冗談じゃないっすよ~~。」

内海、笑いながら、
「かかかか。あ~~。うんうん。…けど…。七瀬も…、今、尾田ちゃんに、必死に仕事…。」

「分かってますよ。」
けれども翔、
「分かっては…、いるんですけど…。」
何かしら、煮え切らない表情の翔。

そんな翔に内海、
「な~~によ~~。」

「尾田ちゃんに、ナツ、教えれば…、教えるほど…。尾田ちゃんから、離れられない…っていうか…。」

トイレから出て内海、
「は~~ぁあ…???」

「…い、いや…。…だって。」
トイレのドアを閉めて翔。

内海、
「あのなぁ~、翔~~。」
翔に振り返って内海。

翔、
「えっ…???」

「世間様じゃ~~。…って言うか…、男と女の場合…。そういうのを…、やきもちと言う。」

その一言に翔、
「…やきもち…。」

内海、
「あ~~。」

「いやいやいや。そんな…。…んな訳…、あるはず…ないじゃ…。」

「…けど…おま…、今、七瀬が、尾田ちゃんから離れられなく…って…。」
そこまで言って内海、
「まぁ~~。俺、個人から言わせてもらえれば…、有り得ねぇだろ…。…とは思うんだが…。」
廊下を歩きながら内海、
「仮にだ。…それ、七瀬に言ってみぃ。いきなり頬っぺた、ひっぱたかれるぞ。何言ってんのよ~~。って…。かかかか。」
笑いながら…。
「因みに…。」

翔、
「なんすか…???」

「男と女。隠し事…、あっちゃ~~いかん。」
そう言って翔の肩をトントンと叩いて。
「まぁ…、そう言う事だ。はは。」
そう言って部署に入って行く内海。

翔、
「ふ~~ん。」
そして小さく、
「やきもちって…。」
また口をぐんにゃりと…。

葉月、手早く机のものを片付けて、
「おっ先~~。」

翔、
「へっ…???カンちゃん、早っ!!!」

ニッコリと葉月、
「そうです。今日は早いんですぅ~~。じゃね~~。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

《PR》
庄司紗千 海をこえて

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

 

 

 

 

 

 

Source: THMIS mama “お洒落の小部屋