ドキドキ 翡翠堂の販売部、電話が鳴る。
「いつもありがとうございます。翡翠堂でございます。」

電話の向こう、
「お世話様でございます。クック・ル・ポット、加瀬と申します。水島峰子さん…、お願いしたいんですけど…。」
翔の後ろ、階段を上りながら優里亜の耳に、
「わっ、優里亜~~。私~~峰子~~。久し振り~~。」
その声に優里亜、
「うんうん。元気~~、峰子~~???」
聞こえてくる声、
「う~~ん、元気っちゃ~~。元気なんだけど…。今は…。」

翔、駅構内角を曲がって、そして優里亜を見て、
「ん~~???」

優里亜、
「峰子~~。ちょっと…教えてくれるかな…???」
優しい声で。

電話越しに峰子、
「うん…???」

「翡翠堂の…先々代が…倒れたって…聞いたけど…。」

その声に峰子、
「へっ…???…どうして優里亜…、その…。あっ、そっか、今度、クック・ル・ポット…、一緒に仕事…。」

優里亜、
「うん。」
ホームに着いて。

「びっくりしたよ~~。お茶飲んでて、椅子から立ち上がったと思ったら、いきなり倒れて…。全く動かなくなって…。昨日の夕方…。」

優里亜、
「昨日の夕方…。」

「うん。…すぐに救急車呼んで…。それからの事は…私たちには…、分かんないけど…。」

翔、最後の客が下りるのを待って。

優里亜、
「そっか~~。うん。峰子、ありがと。今度、ご飯、一緒にしよ。…うん。じゃね~~。」
電車に乗って通話を切る。

翔、つり革に手を。
そして前の空いている座席を優里亜に勧めて。

優里亜、にっこりと…、頷いて座席に座る。

ひとり分、余裕で空いている隣に手で優里亜、「座って。」の合図。

その優里亜に翔、ニッコリと、口パクで、「大丈夫。」

その口パクに優里亜、口を尖らせて、
「ぶ~~~。」

その顔を見た左隣の母親らしき女性に抱かれている1歳くらいの女の子、
「キャッキャッ。」

母親らしい女性、女の子の頭を撫でて、そして隣の女性の顔を見て、
「ぷっ。」
そして女性、前の男性を見て、少し右目を歪めて。

翔、薄く口を開けて、溜息を。右左見て、
「ふ~~。」
優里亜の右隣に座る。

優里亜、
「…ったく~~。何遠慮、してんのよ~~。くくくく。」

翔、
「遠慮…なんか…、してねぇよ。」

「今の電話。」
「うん。」

「翡翠堂にいる、私の友達。」

その声に翔、
「へっ…???うそ。優里亜の友達…、翡翠堂に…いるんだ…???」

「ふん。私の大学の同期。水島峰子。お店にいる子なの…。」
「ふ~~ん。」

「昨日の夕方…、お店で倒れたんだって。」

翔、
「昨日の夕方…。」

優里亜の顔を見て、また隣の女性が抱きかかえている女の子、
「キャッキャッ、キャッキャッ。」

女性、優里亜に、
「どうもすみませ~~ん。」
困った顔で…。

優里亜、ニッコリと、笑顔で、
「いいえ~~。はは、か~~わいい~~。」

女の子、優里亜に左手を出して。

優里亜、
「うんうんうん。握手、しようね~~。はは。」

女性、
「すみませ~~ん。お姉ちゃんに握手してもらって、良かったね~~。」
すると、女の子、母親の腕から抜け出しがるような仕草で…。

女性、
「あらあらあら。」

優里亜、女性に、
「何ヶ月ですか~~。」

女性、
「1歳になったばっかりで~~。」

「うわ~~。おめでとうございます~~。」

隣で、優里亜と女性を見ながら翔、
「うんうん。はは。」

病院に着いた瀧澤、葉月、奈都美、伸永、受付から病室を聞いて…。

瀧澤、
「ありがとうございます。」
3人に、
「西棟…。」

病室に向かう途中で、渡り廊下で電話をしている蓬田徳美。
見覚えのある顔、そして先日、店に来た3人を見て、お辞儀を…。
そしてスマホに、
「あぁ~~。分かった。また電話する。今、お客様だ。…うん。」
通話を切る。そして瀧澤に対してお辞儀をして、
「お久しぶりでございます。瀧澤さん。」

瀧澤、
「蓬田さん…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋