伸永、照れながら、
「勘弁してくださいよ~~ユッコさ~~ん。」
そんな伸永の頭を右手拳で、ト~~ンと押して奈都美、
「な~~に、照れてんだか~~。」
そんな奈都美と伸永を見ながら木綿子、
「かっかかか。…しっかし、このふたり見ていると…、なんだか姉と弟って…感じだよね~~。」
途端、奈都美、
「はぁ~~~あ…???」
勇喜雄、いきなり、手を叩いて、
「おっ、良い事言うね~~ユッコ~~。うんうんうん。」
奈都美と伸永を見て、
「うんうん、全くそんな感じ~~。」
葉月、
「姉と弟…???同い歳で…???」
そして腕組みをして、
「ん~~~。」
そんな葉月の右腕をぴしゃんと左手で叩いて、
「なに変な事感じてんのよ、カンちゃん。」
奈都美。
「私は、弟と言うより、兄が欲しい…っての。現に、憎たらしい妹がいるくらいだから…。」
「かかかか。妃呂美ちゃんだ~~。」
奈都美、腕組みをして、
「…ったく、口から生まれてきたのか…あの子は…???」
そして、
「さて…。そろそろ…、帰りますか…。ユッコも、体…休ませないと…。」
そう言って勇喜雄、
「ただ…、もしかしたら…、この後…、部長たち…、来るかも…、知れない…が。」
木綿子、
「うん。ありがとみんな。」
そして2日後、新しいお菓子の企画の書類など、
資料を持ちながら葉月、奈都美、そして伸永、翡翠堂入り。
伸永、
「リサーチはしていたものの、さすがに凄いお店ですよね~~。」
奈都美、
「うん。」
店の外観、そして店の中に入り…。
「なんとも、老舗…って感じ、ありありね~~。」
奈都美。
「なんたって創業が明治20年。凄いよ。」
葉月。
店内には様々な年齢層の客が…。
そして店の中でもお菓子が食べられる座席もあり、
そこで椅子に座り、茶を飲んでいるひとりの老人。白髪交じりの…。
そして和服をきっちりと着こなし。それだけでも風情がある。
小さな女の子の頭を撫でながらニッコリと…。
葉月が店員に自分たちが来た事を報せ、店員のひとりが奥に…。
「おじいちゃん、ばいば~~い。」
女の子。買い物を済ませた母親だろう、女の子の手を引いて。
白髪交じりの老人、笑顔で、
「ばいば~~い。」
奈都美と葉月、
「凄い、素敵なおじいちゃん。」
伸永、その老人を見た瞬間、いきなり鼓動が高鳴る。
そして、その老人にひとりの店員が、
「新しいお茶、どうぞ~~。」
そして老人、その店員にもにっこりと、
「おぅ。ありがとう。」
そして腕組みをしながら窓から見える外の景色を…。
そして、店内を見ながら、今入ってきた3人の男女を見つけて、笑顔で軽く会釈を…。
そしてまた外を…。
奥から出てきた白いユニホームの男性。
「お待たせしました。店主の蓬田徳美(よもぎだとくみ)です。」
店員が引き出しから名刺を店主に差し出し…。
葉月たちも自分たちの名刺を…。
蓬田、3人を、
「では…中の方に…。」
そう言いながら、窓際に座っている老人に軽く会釈をして…。
中に入る3人。
ようやく席を立つ老人。店員に、
「峰子(みねこ)ちゃん、彼らは…???」
笑顔で…。
峰子と言われる店員、
「はい。食品会社クック・ル・ポット、商品企画開発部の方々です。」
その声に老人、
「へぇ~~。そうですか~~。ふんふんふん。なるほど。…では…徳美…、そろそろ始めるんですか。」
峰子、
「ふふ。そうみたいですけど…。」
老人に向かってにっこりと。
老人、
「これは、これは、楽しみですな。」
「えぇ。」
そして老人、商品を選んでいる客、ひとりひとりにお辞儀をして玄関へと。
峰子、
「あっ、おじいちゃん…、どちらへ…。」
老人、笑顔で振り向いて、
「散歩ですよ。」
数分後、和服の女性が奥から、
「峰ちゃん、お父さんは…???」
「あっ、ちょっと前に、外に…。散歩だって…。」
和服の女性、
「あ~~ん、もぅ。お客様、いらっしゃっているのに~~。あの子も、あの子よ~~。幾らおまえに任せるって言っても~~。」
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庄司紗千 きっと大丈夫
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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋