私が自宅でアルコールを飲酒するのは、年に1度のこの時期だけである。
クリスマス当日は、遅めのクリスマスランチを食べるのであるが、その際にシャンパンとワインを飲む。
今回、自分でクリスマスランチを作る事が出来た為、私は前菜にユーチューブで見た三國シェフが公開されていた、鶏レバーパテやらサーモンパテやらを作った。
家族は大絶賛であった。

毎年のクリスマスは義母宅で義兄夫婦やその子供達も交えてやってきた。
私はデザートを担当しているが、これは単純に義母に任せてしまうと既製品の罰ゲームレベルの甘いケーキやデザートを買い、食べる度に頭痛が起こる甘さの物を体に入れたくないというのが理由である。
本当なら前菜も担当したいトコロであるが、島国思考のイギリス人の中には自分が食べた事のないものや異国の地の食べ物を絶対に受け入れない傾向があり、その典型が義兄夫婦家族である為、私は生の魚介類を使った料理や、それこそ生ハムメロンなども出せない。
海を渡ればすぐそこに、あんなに美味いモンを食わせる国があるというのに、色んな国の美味しいモンを取り入れたい私とイギリス伝統食文化から絶対に逸脱したくない人達との食事の共有は実に難しく、今回はそういう意味で有頂天に近い気持ちであった私は、昼間から飲んでいたのである。

夫に新しく買ってもらったパナソニックのパン焼き機を早速使い、食パンを作るべく、私は午後もキッチンで何やかんやとやっていた。
するとそこに義母様からの電話・・
「携帯が壊れた」と又言い出した。
先週の入院中も同じ事を言い、看護師に「壊れたから見て」と何度も言っていたのであるが、結局よう分からんボタンを押して電源を切っていたようで、「知らないうちに直った」と言った。

そうしてクリスマス当日の夜である。
「壊れたから誰にも電話出来ない、誰からの電話も受け取れない。私にはこれしか楽しみが無いから今すぐ取りに来て修繕して持って来い」と夫に言ってきた。
「酒飲んでるから運転でけへん。明日にしてくれ」と言うも、それから看護師を何度も何度も呼びつけたようで、遂に忙しい上にクリスマスとあって最低人数で回している医療現場の看護師に「何故私の携帯が壊れているのか見て欲しい」と言い、看護師から「義母さんの要望に応える事が出来ないので、あなた方家族がどうにかして下さい」という連絡が夫に入った。

本当に申し訳ない。
看護師達にである。
自分が陽性患者であるにもかかわらず、何度も何度も自分の個室に呼びつける。
何故に我慢できないのだろか、どうして状況を理解しないのだろうか・・
楽しいクリスマスの雰囲気が一揆に苛立ちに変わった。

それでも看護師さんは「私達に時間があれば携帯を見てあげても良いのだけれど、今日は夕方に脳梗塞の患者が2名入って来たから超忙しいの」と言って下さった。
クリスマス当日の午前中を含めると、何とカーライル病院には6名の脳梗塞と心筋梗塞患者が救急搬送されたと看護師さんが言った。
それもあり、「今日はあの方に呼ばれても困る」と言われた。
ただただ「スイマセン」である。

夜、豪州に住む義母の次男から電話があった。
「お母さんが退院して、コロナが落ち着いたら同居したらどうや?それの方がお母さんも安心やろ。同居してくれるなら、俺は遺産相続を放棄してもエエよ。その代わり完全介護で見送ってくれ」と言って来た。
喰ったモン全部吐くかと思う程、吐き気がした。
ならばお前が豪州から戻り、嫁共々そうすればエエ。

私は義母の性格をよく知っている。
であるからこそ、義母は絶対に相続分配を書き換える事はない。
なぜなら感謝の気持ちが欠落している人だからである。
反面、自分が例えば長男の息子と嫁にどれだけコキ使われても、見返りや感謝の言葉は求めない人でもある。
だから義母を上手く利用する息子からは散々振り回され金を使わされるが、義母を助けてやる息子には感謝の意は示さない人なのである。
そんな人との同居など、遺産相続ありきであっても出来たモンやない。
かつて義母と私が同居できたのは、感謝の意を言葉と行動で示す事の出来る義父が生きていたからである。

結婚とは、その人とのみ結婚すると言う事ではなく、その家族も過去も自分と共存するという事である。
これを今、私はしみじみと実感しながら40代後半を生きて行く。

クリスマスの夕食は義母のせいで食欲を失い食べ損ねた為、26日の朝は空腹で起きた。
無心でじゃがいもを擦りおろし、両面を焼いて卵とチーズを乗せてオーブンへ入れて、巨大なハッシュドポテト卵チーズ乗せを食べた。
生きるは修行なり。

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Source: イギリス毒舌日記