看護師に案内されて優里亜、
「ありがとうございます。」
そしてドアを開けて。
「失礼します。」
その声に木綿子、ドアの方に。
「優里亜。」
「ユッコ、どう…、身体の方…???」
その声に木綿子、
「えっ…???えぇ~~。御覧の通り。こんな有様…。…って、言うか~~。び~~っくりした~~。」
優里亜、持っていた花束を、木綿子の前に、
「お見舞いのお花。」
「ありがとう~~。綺麗~~。…って、優里亜、誰から…ここ…???」
木綿子の声に優里亜、
「うん。大石主任。夕方、内線したら、電話、出てくれて。訊いたの。」
「そ…、そぅ~~。…まさか…商品企画開発以外の人が…。」
「ふふ…、驚いた…???」
にっこりと優里亜、
「でも…ある意味…、私も…元…商品企画開発。」
そして、木綿子の状態を見て、
「大変だったね、ユッコ…。」
木綿子、
「う…、うん。」
「会社でも、話題になってる。」
そう言って、
「あっ。でも、悪い意味じゃなくって、会社全体で、注意を喚起しているって…意味で…。結構、女性社員…多いから…。」
その時ドアが、
「ユッコ、喉渇かねぇか…。」
そして病室を…。
「優里亜…。」
優里亜、
「あっ。翔…。」
翔、
「びっくりした~~。おま…、どうやって…ここ…???」
優里亜、
「はは。ユッコとおんなじ事…。」
そんな優里亜に翔、
「えっ…???」
木綿子、
「ダイさんに教えてもらったんだって。」
「ダイさん…。へぇ~~。」
優里亜、
「大石主任、丁寧に教えてくれた。」
焼き鳥を一口、
「うんうん。んま。」
そして腕時計を見て康、
「今頃、加瀬…、病院に着いたんじゃないっすかね。」
「あぁ…。」
内海。
「はい、生お待ち~~。」
内海、店員に手で挨拶をして。
「サンキュ。…まさかねぇ。あいつが…。」
ここは内海と郷池が贔屓している居酒屋、八重垣である。
「何…???加瀬って、あの…、営業の…???」
刺身を一切れ箸で摘んで郷池。
「彼女、髪…切ったよな。」
内海、
「あぁ…。思いっきりな…、」
「うちでも、かなり話題になってる。」
刺身を食べながら郷池。
「あんなに長かった髪を…ベリーショートに。…かかか。絶対に何かあったって…。」
そして、
「それに…、雰囲気もガラリと変わったって…。…今まで、加瀬さんって、ツンツンばっかり…してたのに…。」
そして突然笑いながら郷池、
「かっかかかか。良く見てるもんだ、女子連は…。」
康、
「そう…言えば…。ふん。確かに。電話してても、高飛車な感じ…。なかったような…。」
「かかかか。うちの女の子たちに言わせれば、勝巳が辞めて、変わったんだと。」
その声に内海、
「へぇ~~。」
「それより、どうだぃ、あの…新人…。おだのぶなが…???」
そんな郷池に康、
「ぶっ。いきなりどっちの話~~。池さ~~ん。」
「ん~~???いや…、気になんじゃん。あんなに、頼りなさそうに…。なんだか…、背中押したら、すぐにぶっ倒れそうな…。」
その話に、思わず絶句する内海と康。
康、串に最後の焼き鳥を口に頬張って、
「ぷっ。」
黙っている内海。
郷池、
「な~~に、なになに~~。ふたりとも…、黙っちゃって~~。」
内海、
「ん~~~???ふふふ。」
鼻で…。
口を一文字で目を真ん丸の康。
郷池、
「ん~~~???」
そしていきなり、康の首根っこを右腕で、
「こら、蔵之介、言えっ!!!」
康、
「がっ!!!痛て。てててて。課長…。」
内海、
「実はな…。」
郷池、突然康を離して、内海に顔を…。
内海、右手人差し指をくぃくぃと。
郷池、
「うんうんうん。何々…???」
郷池の左耳に内海。
郷池、
「……。うんうん。…えっ…???」
顔がみるみる変わる。そして、こちらも目を真ん丸く、
「う…、うそでしょ。」
目をキョロキョロとさせながら…。
内海、顔を右左に小さく振る。
そして郷池、康の顔も…。
康、口を真一文字に、そして目を閉じて頷く。
郷池、
「はぁ~~~あっ!!!マジで…???」
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庄司紗千 きっと大丈夫
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋