半ば、いきなりの事で鼓動が高鳴っている優里亜。
「あ~~、びっくりした~~。電話…しちゃってるなんて…。私…。」
自分の頭を右手でペンと。
「何考えてんだか。」
そして、数分後には…、
「ママ~。ご馳走様~~。」
翼、
「あら、早いわね~~。気分…落ち着いた…???」
そういう女性バーテンダーに優里亜、頭を傾げて、
「ふん…。どうかな…???…でも…。うん。何とか…やってみる。」
「うんうん。加瀬ちゃんなら…、良い人…、見つかるよ。絶対。」
そんな声に優里亜、
「…だと、良いんだけど~~。」
そして、
「うん。ありがと、ご馳走様~~。」
翼、
「うん。おやすみ~~。」
店の外に出て、ゆっくりと歩き出す優里亜。
自然に目頭が熱くなり、そのまま堪え切れずに零れる涙。
夏の終わりの夜空を見上げて。
涙声に、
「星…、出てないや。」
思いっきり、鼻水を啜って。そして、両手で両頬の涙を拭って…。
「ほぉ…。帰ろ。」
そして、数メートル歩いて、いきなり左脚がガクッ。
「痛った~~~。」
腰を下ろし、左足を少しさする。
「なんでよ。んもぅ~~。」
そしてまた立ち上がって歩き出す。
「優里亜…。優里亜じゃ~~ん。」
遠くからの声。
優里亜、
「へっ…???」
見ると数メートル離れて、友達の矢崎美桜(やざきみお)。
優里亜、
「わぁ。美桜~~。」
今までの気持ちがいきなりどこへやら…。
「どうしたの~~???」
「ふん。仕事でさぁ~~。近くまで…。取引先…、近くにあるんだけど…。飲みに誘われたんだけど…。何とか誤魔化して、パス。」
そして、
「いやいやいや…。」
右手を振って、
「多分、飲み始めたら、完璧に、絡んでくるような…、タイプ。丁寧にお断りして…。」
その途端、優里亜、
「ぷっ。」
「だ~~って、だってよ~~。私が断った瞬間に、あっそ。そしたら、いきなり舌打ち。可愛い顔してよ~~。って、小さな声で…。その後が…もぅ~~。ニタニタ笑いながら、同じ部署の女性に、オィ、行くぞ~~って…。」
優里亜、聴きながら、
「かかかか。」
「その女の人も…、私に両手を合わせて、ゴメン。口を捻じ曲げながら、着いてっちゃった~~。逆らえないん…だろうな~~。」
「ふ~~ん。」
美桜、
「それはそうと…、優里亜…は…???…ベラドンナ…逆方向じゃ…???」
優里亜、
「ふん。今…出てきた…とこなんだ…。」
「へっ…???」
「多分…、もう…行くことのない…、お店…かも…。」
美桜、
「はい…???」
駅前近くのカフェレストラン。
「そっか~~。そう言う事か~~。」
美桜。
優里亜、
「そっ。そう言う事~~。あ~~。なんか…、しんどい。今までの事が、な~~んか、いきなり崩れてしまった…。…って感じで…。」
「あらら。こりゃ、相当の…重症…だ~~ねぇ…。」
その美桜の声に、
「だ~~って、そりゃそうでしょ。長年…、一緒に仕事…してきたっつぅのに……。しかも、あっちから…私の事…仕事…誘ってきてよ。しっかりと仕事覚えさせてよ。…なのに…、何よ、これ~~。自分は勝手にアプローチされたところにひょいひょいと。」
ぷ~たれた感じで話す優里亜。
「こっちは、感じの良いパートナーって感じで、仕事出来てるし…、こんな感じ、これからも続ければいいな~~って…。」
「何歳、年上だっけ…???」
「…っと~~。6つ。」
「確か、かなり…、人気の営業マンって…聞いてる…けど…???」
「…うん。…女性社員には…モテるかも…。」
「ふん。引き摺ってるってか~~。スパッと、切り替えた方が…いいよ。追っ掛けたって、良い事ないよ。会社、辞めてまでも、そっち選んだんでしょ。な~~んか、優里亜らしくないよな~~。」
優里亜、
「えっ…???」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋