ドキドキ  その最後の、「ノブッ!!!」の声に伸永、
「あっ、はい。あ。すみません。電話、切ってなかった。」

その声に奈都美、
「ん、もぅ~~。何やってんのよ~~。」

「すみません。七瀬さんから深呼吸って言われて。」

奈都美、
「お~~い。…っていうか、綺麗な曲~~。何…この曲…???」

「あっ、七瀬さん、この曲…。あ~~。知らないか…。」
「…って言うか、失礼ね~~。…って、いや…。ん~~。聴いた事…ない…かも…。…もしかして…、この曲って、映画…の…???」

伸永、
「はい。…と言っても、僕たち、まだ…生まれてないんですけど…。この映画が放映された時って…。」

「なんの…映画…???」
「炎のランナーと言う映画のテーマ曲です。」

「へぇ~~~。綺麗な曲~~。」
「1982年の映画です。ヴァンゲリスという人の作った、シンセサイザー…。」

その声に、
「めちゃくちゃ古いじゃん。…って言うか…。どぅ…???思い出した…???」

その声に伸永、ため息を突いて、
「いえ…、落ち着いてあれからの事…。…けど…全く…。…もしかして…、どっかで、何かと一緒になったか、思い出せない何処かに…記憶を辿っては…みたんですけど…。」

奈都美、
「ふん。そっか~~。」
スマホを左耳に、そして右手は額に、
「ふ~~。どうするよ~~。」

「けど…。」
いきなり伸永。

奈都美、
「けど…???」

「えぇ…。けど、企画書の全体像…、頭の中に入ってます。思い出したんです。」
「へっ…???うそ…???あれだけの…???」

「えぇ…。だから、これから、やってみようかと…。」

「えっ…???これから…やってみようかって…。ちょっ、ちょっと…尾田君、今…何時だと…。しかも、あれだけの量、これからって…。一体、何時まで掛かると思ってんのよ。」
いきなり甲高い声を出して奈都美。

そんな奈津美に伸永、
「何時までって…。いや…。でも…。」

「お願い。寝てちょうだい。お願いだから、寝てちょうだい。頼むよ。夜なべしてそん…、企画書作って、寝不足のままでデランナ行って、向こうでいきなり、頭、カクンなんて事にでもなったら…。それこそ印象、最悪。」
「大丈夫ですよ、一晩くらい。前の会社でも仕事、終わらない時は徹夜でしたから…。」

「でも尾田君。前の会社で徹夜はやっても、どこかで仮眠は摂ったでしょ。」

その声に伸永、
「それは…。まぁ…。僕の次の部署へのバトンでしたから、午前中に仮眠は…。」

「ねねねね、それ~~。それって…ウチ…できないから~~。」
「あ…、あ~~。」

「とにかく、今夜はもぅ…寝て。明日、早く、私も早く出るから。課長にはこれから、ラインしておく。いいわね。分かった???」
「あ…。は、はい。じゃ~~。」

「うん。じゃ、スマホ、切るよ。おやすみ。」

伸永、
「おや…。あ。切れた。」

奈都美、
「ふ~~。なんてこったぃ。参った~~。企画書、ノブに渡すんじゃなかった。んもぅ~~。…っと~~。お風呂、お風呂。」
そして部屋のドアに向かう…、
「えっ…???私…今…、何て…。」
ぶすっとした顔をして奈都美。
「ん~~もぅ、なんでまた…。」
右手で右耳の後ろを掻いて、
「はん。」

階段降りて、お風呂場…、
「えっ…???誰…???おかあさん~~???」

ガラスドアの向こう、
「あ~~奈都美~~。先入ってるよ~~。」

その途端、奈都美、
「え~~~~。なんでよ~~。」

そしてまたドアの向こう、
「ん~~???なんか言ったぁ~~???」

奈都美、ドアの傍で体育座り、グシュリとさせて、
「トホホホホホ…。あ~~ん。」
両腕に顔を埋めて。そして急に、
「ヤバイ、ヤバイ、課長にライン。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋