ドキドキ ドアを開けて、
「じゃあ、よろしくお願いしま~~す。」
奈都美。

朋代、
「おぅ。」

歩きながら奈都美、
「ねね、もっかい見せて、さっき、尾田君の描いたの。」

伸永、
「あっ、はい。」
クリップボードの用紙を捲りながら、
「これ…です。」

奈都美、
「ふ~~ん。」
そして、
「なるほど…、さすがは芸大。」

その声に伸永、
「えっ…???」

「あっ、いやいやいや。別に…。…でも…、絵は…好きなんだ…???」

その声に伸永、
「えっ…???あ~~。う~~ん。まぁ…。…小さい頃から…。描いてましたから…。」

「ふ~~ん。」
そして、
「尾田君って、兄弟は…???」

その質問に伸永、小さな声で、
「姉が…ひとり…。」

奈都美、
「ふ~~ん。…私は…妹~~。」

伸永、
「……。」

「家族は…???」

その声に伸永、
「……。」

奈都美、
「へっ…???」

伸永、口を尖らせて…。

「お…だ…。」

「いいじゃないっすか、そんな事…。」
いきなりボソッと。

奈都美、その瞬間、
「あっ…。あ~~。」
そして、
「ご…ごめん…。」

別棟への廊下を歩きながら…、伸永が、小さな声で、
「僕には…姉ちゃんしか…。」

奈都美、
「へっ…???」

「僕には…姉ちゃんしか…、いないんです。」

その声に奈都美、
「えっ…。」

「それに…、12も…離れてる。」
そのまま口を閉ざす伸永。

奈都美、その声に、いきなり目をキョロキョロと…。
「お姉さんと…12…???」
そして、
「えっ…???それって…???」

伸永、また小さな声で…、
「姉ちゃんと俺…、母親…、違うんだ。」

奈都美、その瞬間、
「へっ…???」
一瞬頭に浮かんだ、
「…腹違い…。」
奈都美、すぐさま、
「ごめん。…私…。」
小さな声で…。

そんな奈都美に伸永、ポツリと、
「いいっすよ。」
そして、
「慣れてる。」

奈都美、
「へっ…???」

その日の午後、休憩ブースでひとりコーヒーを飲み、
タバコを吸っている内海を見つけて奈都美、
「課長~~。」

内海、
「おぅ~~。どした~~七瀬~~。尾田君、頼むぞ~~。」

奈都美、
「あ…、はい。」

「タバコ、吸ってるけど…いいのか…???」
「あ~~。はい。どうぞ。…あの…、課長…。」

「ん~~。」
「ちょっと…訊きたい…事が…。」

そんな奈都美に、
「ん~~。なんだ、改まって…。」

「尾田…君の…事…なんですが…。」
「おぅ。」

「尾田…君って…、芸大…。」
「あ~~そうだ。うん。」

「そして…、なにやら…お姉さんがいるとか…。」

その声に内海、
「おぅ~~???もう…そこまで聞いたか。」

奈都美、
「あ…、はい…。…なんだ…けど~~。その…お姉さん…って…???」

内海、
「おぅ~~。ん~~。いい質問だ~~七瀬~~。」
吸っていたタバコの吸い殻をホールに入れて、
「尾田君には…腹違いの姉がいる。12歳…歳が違う。かかか。美人のお姉さんだ。ある総合病院の心臓外科医師の奥さんだ。今。」

その声に奈都美、
「えっ!!!」

「そして…。」

奈都美、
「…ん…???」

「ここからが重要だ。尾田君には…両親がいない。」

いきなり奈都美、
「うそ。へっ…???」

「尾田君の父親はある建設会社の社長だったんだ。若い頃にある女性と知り合って結婚。そして、一年後に女の子が産まれた。それが今の尾田君のお姉さんだ。」

奈都美、
「……。」

「会社もその頃は立ち上げで、社員たちは獅子奮迅~~。お姉さんも元気に成長。小学校を出て、中学校に。…けど、その中学校の入学式の帰りに、事故が起きた。」

奈都美、
「えっ…???」

「学校近くの交差点で、信号無視の車に、撥ねられた。」

奈都美、
「うそ。」

「内臓破裂で、そのまま即死。」
「そんな…。」

「最愛の妻を失っての尾田君の父親。けれども、必死に会社経営。」

奈都美、
「うん。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

 

 

 

 

 

 

 

Source: THMIS mama “お洒落の小部屋