ドキドキ そして、雅楽、「定休日」

残業中の翠のスマホに絃からライン、
「――じゃ、行ってくるね。」

翠、
「――うん。健闘を祈る。」

そして絃から返信、
「――決闘じゃないんだから…。ははは。」

「――おぅ。店長には、よろしく言っておいたから…。」
「――ありがと。」

絃、生まれて初めての男性との待ち合わせである。

翠、
「ふふ。た~のしみ~~。」

万美、
「ん~~???絃…???」
椅子をスライドさせて。

翠、
「うん。これから…ルッポラ。」

「おぅおぅおぅ。健闘を祈る。」
「かかかか。それ、言っといた。」

「かかかか。…あっ、それは良いけど…あれから、ユウマと…???」

その声に翠、
「ふん。まっ、連絡は取ってるよ~~。お陰様で、毎日。」

「おやおや。…けど…、良くユッキ…。」

そんな万美に翠、笑いながら、
「いやいやいや。そこはそこ。部屋で、ラインしてたって、あんたらと同じでしょ。誰とラインしてるかなんて、分かるはずないでしょ。ユッキだって、ゆずと毎日、ラインしてる…だろうし…。フレバーの事だってあるし…。」

万美、話を聞きながら、
「ふんふんふん。まっ、そっか…。でも…、ユウマのアパートには…。」

翠、間髪入れずに、
「ま~~だ。行ける訳ないでしょ。まだリハビリ中…。…でも…、まぁ…、あと…数週間…かな~~。どんどん回復してきてる。凄いよ。脳梗塞になって…。こんなに回復早くって…。」

「だ~~ね~~。」

その時、
「ごめん。私…お先で~~す。」
向かいの席から尋音。

翠、
「ふん。お疲れ~~。かかかか。久し振りに…壇君か。行っといで~~。」

尋音、ふたりに右手を立てて、
「スマン。では…。」

そしてそれから30分後、翠、
「コバちゃん、お先で~~す。」

呉羽、
「う~~ん。お疲れ~~。」

そして火曜日、東京駅。
「お~~っと~~。ゆず、早いな~~。」
薫郎、バッグを左手に、右手で橙に合図。

橙、
「うん。へへへ。」

けれども、新幹線の中で橙、30分も経たないうちに…、
「ス~~。ス~~。」

薫郎、
「はぁ…???おま…、夕べ、何時に寝てんだよ。かかかか。」

そして仙台到着。橙の頭をツンツンツン。
「ゆず…仙台…着いたぞ。」

橙、
「…ん…???」
いきなり目を開けて、
「わっ!!!」
いきなり薫郎の左肩から頭を上げて、
「わっ!!!わわわわわわ。ごめん。ユッキ。私…。」

薫郎、
「はい。ぐ~~っすりと、眠ってました~~。」
自分の左肩をぐりぐりと回して、
「あ~~~。」

橙、
「えっ…???へっ…???…まさか…、私…。ずっと、ユッキの肩に…。」

薫郎、
「かかかかか。おま…。首…大丈夫かぁ~~。俺…、全~~然…、動けなくってさ。」
そして、自分の左肩を見て…、
「よだれ…ないよな。」

橙、真っ赤になって、両手で薫郎の左肩をペン。
「もうっ!!!」

そんな橙の顔を見て、
「おぅ。良い顔、してる。」

橙、
「ユッキ…。もぅ~~。」

「行こか。」
「うん。」

そして出口に向かうと、乗務員の女性、橙の顔を見て、思わずクスリ。そしてお辞儀を…。

その瞬間、薫郎、口を押えて、
「ぷふっ。」

橙、恥ずかしさのあまり、顔を赤くして、乗務員にペコリとお辞儀をして、
薫郎の左手を引いて、小さな声で、
「何…???乗務員にも、見られて…。」

薫郎、
「あ、あ~~。いや…、だって。前から歩いてくれば、自然に…目に付くでしょ。」

橙、自分の顔を左手で覆って、
「恥ずかしい~~。」

薫郎、
「かかかか。今更言っても…。なぁ~~。」

橙、頻りに下を向いたままで…。

ホームに立って、歩いて薫郎、
「かかかか。おっかし~~。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋