ドキドキ 「…って言うか、なんでここで、話す~~、みど~~???」
尋音。

隣の席で、下唇をビロンと、何かしらやるせない雰囲気の万美。
ルッポラのテラス席である。

「ん~~???…ふん。な~~んか~~。この雰囲気の方が…いいかな~~って。しかも…ここから見る景色って…。結構…好きなんだわ…。はははは。」
翠。

万美、
「…ったく、なんで…???」

尋音、
「私も電話で聞いて、び~~っくり~~。まさか…、マジで、ユッキとも…話した…なんて…。…しかも…。ユッキも…ゆずを…。」

翠、
「な~~んかね~~。知らない間に、そんな方向になっちゃってた。」

万美、
「エッチ、し損なっちゃったんだって。」
テーブルに両腕を。その上に顔を埋もれさせていた万美が、いきなり顔を起こして尋音に。

尋音、
「うそ…???」

翠、
「万~~~。」

万美、
「はいはい。…で…???」

翠、
「…で…???…で…???何…???」

「…いや…。何って…???…こうなっちゃったから…、これからどうしよ…???…って言う…、そんな話じゃ…ないの…???」

唇をムニュー~~っと、丸く尖らせての尋音。
「ふん…。私もそう思った。」

翠、そんなふたりを見ながらにっこりと。
「ふふん。」

万美、尋音、
「はっ…???」

翠、
「違う、違う。」
右手を振りながら。
「多分…、前みたいには…。…って言うか、今までとは、スタイル…違ってくるよ。」

万美、
「どう…するよ…。」
そして、
「私は…電話でも言ったけど、みどが、ユッキと別れるのは…絶対にイヤ!!!」

尋音、
「うんうん。私もヤ。そんなの…。」

「いいじゃんよ~~。ユウマがゆずの事、好きで。ゆずもユウマの事、好きなんだから~~。別に、そんなふたりを無理やり引き離さなくとも~~。」
右手を前後に振りながら万美。

尋音も、
「そうだよ、そうだよ。今まで通りでいいじゃんよ~~。やだよ、ユッキとゆず…。みどとユウマ。どうも…しっくりこな~~い。」

そんなふたりに翠、
「いやいやいや。万と尋の言い分、気持ちは…良~~く、分かる。分かるんだけどさ。ユッキも私に…、ごめん、みど。って…言ってるんだもん。仕方ないよ。」

尋音、
「分かった。」
そう言って、スマホで、
「ユッキの電話番号…。」
そしてコールはするが…、全く電話に出る気配がない。
その内、尋音、顔をぐしゃりと。
「…出な~い…。」

翠、
「出る訳ないでしょ。」

万美、
「ユッキも、言われる事…分かってるかんね~~。」
髪を撫でながら…。

翠、
「万、あんた、納得してんじゃない~~。」

その声に万美、慌てて、
「あっ、あっ。あ~~~。もぅ~~。今のは、ほら、もぅ~。タイミング的に~~。そんな話になって、ユッキがたまたま…。」

翠、
「どっちにしても、ユッキ、出ないよ。今、市場に、仕入れに行ってるから。」

尋音、
「……。」

「前ね、市場に仕入れに行ってるユッキに連絡したくて電話したら、いきなり怒られた。」

万美、
「へっ…???」

「大事な仕入れしている最中だから、電話掛けてくんなって。」
「へぇ~~。」

「店に帰ってきて、仕事の話と、店関連の話の電話しか…出ないって、怒られた。」

尋音、
「わ~~お。」

「お客さんに出す料理。しっかりと…最初っから、吟味しておかねぇと。…な~~んて、私…言われたら~~。料理できない、私…、言葉、返せな~~い。」

その瞬間に、頭を前に揺らしながら万美、
「はいはいはいはい。その通りで。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 

 

《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

 

 

 

 

 

Source: THMIS mama “お洒落の小部屋